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鯨寄る浦 虎伏す野辺
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海。虎。おばけ。
瀬戸千歳の作品集。
アンソロジーへの寄稿やSNSで公開した作品を加筆・修正し、あらたに書きおろしを加えた17編を収録。
「光跡」
四十九日が済んでも麦野はいまだにやってくる。三日連続のときもあれば、一週間ぱったりと姿を見せないこともある。十日あいたことはない。帰宅する際、カーテンの隙間から光が漏れていると、ああ、またきているんだなと思う。彼女はたいてい床に座りこんで窓から外を眺めている。たまに壁にもたれかかったりも、する。生前から行儀がよかったので、床に寝そべったり勝手にベッドを使ったりはしない。すくなくとも私がいる間は。
「呪詛売り」
千崎が野生の呪詛を集めにいくというので、私もついてゆくことになった。正気を疑うほど高値で取引されているらしい。行き先は黄ヶ崎などという聞いたこともない島である。ふたりともへべれけに酔っ払っていたので、じゅそかなんかしらんけどアンタがいるとこならどこだっていいよ、と適当に笑っていたら、千崎はまたたく間に私の乗船券を予約していた。
「共鳴」
おばあちゃんは魂呼びの名人だったらしい。おばあちゃんのママもそう。つまり私にも名人の血が継がれているはずなので、おばあちゃんはやがてくる臨終に際して私を呼ぶ子として指名した。ママをすっ飛ばして。
「生まれたばかりの森」
泉を訪れる巡礼者たちはみな礼儀正しい。あらかじめ予約をとってきた彼らの本人確認をすませ、契約書に署名をもらい、有賀さんは注意事項をひとつずつ説明してゆく。清酒は呑みこまないこと、遺品は泉に沈めないこと、たとえあちら側から呼びかけられても口をひらかないこと、会えるのは長くて三十分、一時間で小屋まで戻ってくること、泉にあるものはなにも持ち帰らないこと。
「ラージャの埋葬」
式にはどうしても虎が必要なんだ。彼の言葉を聞いたプランナーは飼っている犬か猫の名前だと考えただろうし、私は、かつて彼が話した空想のことを思い出していた。虎が。私たちが黙っていたら小さな声でもういちど言った。横目で様子をうかがってみると真剣な顔つきをしていた。同じだった。交際を申し込まれたときと、求婚されたときと。
...and more!!
イラスト:たけもとあかる
デザイン:瀬戸千歳
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